2014年9月2日(火)午前8時頃から北海道河東郡にて宇宙気球SERAの放球実験を実施しました。当日の天候は薄い雲が空を覆っていましたが、穏やかなそよ風が辺りを暖かく包んでいまいした。
まず、現地に到着してから各担当に分かれてそれぞれの作業に入り、放球時間までに機体の整備、完成を目指します。
今回の実験に用いるバルーンは去年先輩方が行った実験と同様の6Fサイズで、このバルーンにガスボンベからヘリウムを注入して大きさ190cmぐらいになるまで膨らませます。このヘリウムガスの浮力によって気球は浮くことができます。(図1 参照※)
※バルーンが飛んで行かないようにビニールシートで覆っています。
ガス注入が完了し、機体への取り付けが完成したら最終チェックをします。そしていよいよ宇宙気球SERAの放球です。
…3,2,1のカウントダウンと同時に午前9時頃、私達の想いをのせた気球は雄大な北海道の青空へと羽ばたいていきました。放球成功です!
見えなくなるまでずーと気球のあとを目で追っていました…
気球は雲の中へと消えてしまい見えなくってしまいました。ここからいよいよ、気球に搭載してあるGPSからの位置データを取得してあとを追う作業です!
気球は放球してから1時間30分程で破裂、落下を開始し、3時間ほどしたら着陸する予定です。
最初GPSからの位置データを受信してみると、やや南側に移動している事が分かりました。しかし、それから約1時間30分後に再度GPSからの位置データを取得してみると北海道網走郡津別町付近に移動していることが分かり、北東の方へと流れている事が分かったのでほっとしました。
しかし、ほっとしてるのも束の間…
それ以降GPSからのデータが来なくなってしまいました。原因としては圏外になってしまったか、機体の故障等ではないかと思われました。
とりあえず、最後に受信した予想落下地点であろう位置データの津別町の方に向かう事にしました。
津別町に着いたのは15時頃でした。辺りを1時間ほど探したのですが機体らしきものを見つけることはできませんでした。日も暮れ、辺りも薄暗くなってきたので残念ですが撤収する事に決めました。(最後の機体からの位置データに関しては恐らくバルーンが破裂した頃に送られたものではないかと思っています。)
機体の外側には発見者に対する機体の説明、及び代表者の連絡先を載せておいたので現在発見者からの連絡を待っている状態です。
~最後に~
今回のプロジェクトは2011年から行っていた先輩方の宇宙観測気球ELPISを参考にサークルの後輩である私達2年生のみで行った初のプロジェクトでした。始まりは去年の夏休み、先輩の山口さんからの一言から始まりました。プロジェクトがまだ始まったころは、まさか自分たちが作った機体、バルーンが空を飛んでいく、なんていうイメージなど思い浮かべる事すらできない程不安だらけでした。しかし、先輩方は勿論、プロジェクトメンバー、学科の先生などの協力のおかげで様々な問題に直面しても、少しずつ解決することが出来ました。
きちんとやる時はやって、ふざける時は思いっきりふざけあい、共に笑いあえた…。こうした時をみんなと共に居れたことはこのプロジェクトをやったからこそ味わえたものだと思います。
最後になりますが、旅の最初の夜、皆で観た流れ星に願った夢を今回は叶えることはできませんでしたが、それはきっとまだこのプロジェクトに終止符を打つには早いという知らせだったのではないかと思っています。次回へ向けてまだまだ励んでいきたいと思います。
最後まで読んで頂き本当にどうもありがとうございました。
宇宙気球SERA シミュレーション担当 秋山優太
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