Space Balloon Project ELPIS

 はじめに

 

このプロジェクトは2011年から2013年までの2年間で行われました。以下の内容は、当時の概要及び進行内容が記載されています。

 

このプロジェクトは終了しましたが、次世代の各メンバーが小サークル名を変更した新たな宇宙気球プロジェクトを進行しています。詳しくは小サークル一覧より確認できます。

 

            ELPISプロジェクトリーダー 山口

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内容:高度30kmから宇宙観測気球ELPISによる地球の撮影、軌道測定を行う。

 

このプロジェクトでは以下の3名が取り組んでいる。

プロジェクトリーダー:山口
共同メンバー:福田 福島

主催:法政大学学生団体「Libertyer」

※航空法に基づいて進行しています。

 

目的

法政大学理工学部生による、観測気球(自由気球)を用いて高度30㎞からの地球撮影、軌道測定と宇宙教育への普及を目的とする。

 

ELPIS概略図

 

全長 6.5m

総重量 2.1kg

(1)ELPIS全体図
(1)ELPIS全体図
(2)ELPIS全体図
(2)ELPIS全体図

機体内部

直径30cmの発泡スチロール球体である機体の中に直方体の箱型の発泡スチロールが入っており落下衝撃の吸収の為に上下にスポンジを取り付けた。

 

このプロジェクトでは

・撮影用カメラ

・iPhone(GPSによる機体追跡)

・GPSロガー(軌道測定)

などを機体に搭載している。

 

 


機体に吊り下げた重りについて

 このプロジェクトでは、機体内部に搭載されたカメラにより地球の撮影をすることが第1目的である。しかし、地球の自転による大気が地表との摩擦、また太陽からの熱エネルギーを受けて、上下の移動が起こり風が発生することにより、撮影映像の乱れが生じる。この影響による撮影映像の乱れを防ぐために、機体に重り(0.6kg)を吊り下げた。この重りを吊り下げることにより、機体本体(0.75㎏)が風の影響で揺れる代わりに重りが揺れるような仕組みになっている。しかし、実際には、どういう結果になるかは未知数である。

パラシュート

高度30キロメートルからの膨張によるバルーン破裂後に概略図でのパラシュートが開くように設計している。201110月に行ったパラシュート実験で当初、先端に突起のついた八角形型パラシュートより、正八角形型パラシュートが安定することがわかった。現時点では、正八角形型パラシュート(直径2.0m)で打ち上げを予定している。

素材:レジャーシート、ビニールテープ

初期型(先端に突起のついた八角形型パラシュート)
初期型(先端に突起のついた八角形型パラシュート)
改良型(正八角形型パラシュート)
改良型(正八角形型パラシュート)

落下実験

パラシュート実験の様子


活動報告

2013年

8月

08日

宇宙観測気球ELPIS 実験結果報告

 2013年8月7日午前8時頃に長野県佐久市より宇宙観測気球ELPISの放球を実施しました。当日の天候は曇時々晴の様子でした。現地到着より、各担当に分かれて機体の準備に取り掛かり、機体全体の完成へ向かいます。今回の実験に用いるバルーンは6Fサイズです。このバルーンをヘリウムガスで直径170cm程まで膨らませることで機体が浮力によって浮かびます。

 

作業風景
作業風景

機体の全体的な取り付けが完成したと同時に最終的な点検に行います。

そして宇宙観測気球ELPISの放球開始です。

放球開始
放球開始

放球成功です。

機体が見えなくなるまで上昇していきます。

上空への上昇による気圧関係からバルーンが破裂します。

破裂と同時に機体のパラシュート展開し、地上へ落下します。

機体に搭載したiPhoneよりGPS経由で機体の探索を行います。

その間、現地待機です。

そして、1時間30分後に信号をキャッチ。

埼玉県北西部にある寄居町に機体が電波を送信したようです。

 

しかし、それ以降、信号が途絶えました。

ともかく、メンバーは機体が送信した最後の信号を頼りに現地へ向かいます。

探索場所:寄居町釜状山付近(イメージ)
探索場所:寄居町釜状山付近(イメージ)

探索はしたものの、機体の発見はできませんでした。

最後にキャッチしたGPSからの信号が、どのような機体の状態なのかは不明です。最後の信号は、機体の落下途中による信号の可能性かもしません。

 

主な原因は、機体が電波圏外の山に落下した可能性、もしくは川の落下によるGPS機能の故障、パラシュートの支障による落下衝撃からの機体の故障などが考えられます。

 

機体の外部には、機体の発見者に対する機体の説明と連絡先を記しているため、発見される可能性は低いですが、発見者への連絡を待ち続ける状況となります。

今回のプロジェクトでは、機体の放球には成功したものの、回収には至りませんでした。

 

 

~最後に~

 この活動は2011年から発足し、今日に至るまでの2年間をこのプロジェクトに費やしていきました。プロジェクトメンバーにとって、このプロジェクトは青春そのものです。代表者である私が純粋な知的好奇心から生まれたもので、それに協力してくれる有志の福島、福田の2人と共にこのプロジェクトを通して、様々な問題に直面し、解決してきました。

 最終的には、期待に沿えない結果となりましたが、これまでの過程から得られた経験は、素晴らしく思い出深いものでした。このプロジェクトメンバーを通して喜怒哀楽を分かち合えたことは人生においてかけがえのないものでもありました。

 

ありがとうございました。

 

Space Balloon Project ELPIS リーダー 山口

 

 

2013年

6月

07日

ELPIS中間報告

      夢プロジェクト
      夢プロジェクト

ELPISリーダーの山口です。

 6月の梅雨入りになり、気球打ち上げまで約2ヶ月となりました。現在のプロジェクトELPISの進行は着々と進んでいます。前回のスタッフブログによる報告から後日、パラシュート展開による落下速度の計測を実施しました。パラシュートの直径を2.0mに修正し、実験結果による平均落下速度は約4.0~4.5〔m/s〕となりました。

また、このプロジェクトで最も困難であろう航空法申請を完了することができました。これからは機体の最終確認、当日までの全体的な準備等を実施していきます。

 

 

 

     Project ELPIS ブース
     Project ELPIS ブース

 Project ELPISは宇宙教育活動にも意欲的に取り組んでいます。昨年の11月2~4日に開催された法政大学小金井キャンパスにおける大学祭にてLibertyer主催の室内展示「UOA宇宙飛行士養成大学」を実施致しました。(詳細は学際2012 UOA宇宙飛行士養成大学より)

この展示内にProject ELPIS用のブースを設け、来場者の方々に「宇宙気球ELIPISと共にあなたの夢を一緒に成層圏から打ち上げよう。」と題した夢プロジェクトを行っていました。

当日の宇宙気球放球では、皆の夢が綴られた用紙を機体に載せる予定です。

 

 

2013年

4月

14日

2013年度ELPIS企画会議

ELPISリーダーの山口です。

新学期が始まり、サークル全体の体制や新歓、学業などで小サークル「ELPIS」の作業に没頭する時間が少ないのですが、これからの今年の夏季に打ち上げを目標として頑張っています。

現在は、主に2013年度ELPIS企画会議から今後の計画を立てています。

現在までの流れとして、機体の重量の軽減化を除き、宇宙気球の機体はほぼ完成しました。その後は、落下実験による落下速度の計算、放球から落下までのシュミレーションなどをしていきます。

また、打ち上げの際に必要な航空法の手続きが多大なる時間がかかる為、こちらにも手を抜かずにやり通していく必要があります。

 

今後も、何らかのイベントがあり次第、報告していきます。

それでは。